口絵
新しい火をともす人—東海村の原子力研究所
pp.1-8
発行日 1957年11月15日
Published Date 1957/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910471
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わが国ではじめて「原子の火」がともりました。茨城県水戸市から北東約15粁,鹿島灘に面した東海村の日本原子力研究所は,松林にかこまれ,その敷地約105万坪。昨年8月起工式をあげて以来連日連夜突貫工事を進め,丁度1年,まず米国ノースアメリカン航空会社から購入した実験用原子炉(湯わかし型)の据つけが終り,8月26日からウラン燃料を入れ始めました。そしてついに27日午前5時23分に点火したのです。
点火というのは,ウラニウム235の原子核が分裂して,そのなかの中性子が少しずつ続けて飛び出すようになること(持続的連鎖反応をおこす)で,音もなく静かにもえつづけるのです。これによつて日本も新らしい原子力時代にスタートしたわけです。(写真はいずれも日本原子力研究所提供)
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