Japanese
English
短報
東海村臨界事故に関連した適応障害の1例
A Case of Adjustment Disorder Related to the Critical Accident at a Nuclear Facility in Tokai Village
中野 英樹
1,2
,
副田 秀二
1,2
,
中村 純
1
Hideki NAKANO
1,2
,
Shuji SOEDA
1,2
,
Jun NAKAMURA
1
1産業医科大学医学部精神医学教室
2(株)日立製作所日立健康管理センタ
1Department of Psychiatry, School of Medicine, University of Occupational and Environmental Health
2Hitachi Health Care Center
キーワード:
Adjustment disorder
,
PTSD
,
Posttraumatic Stress Disorder
,
Radiation
,
Accident
,
Mental health
Keyword:
Adjustment disorder
,
PTSD
,
Posttraumatic Stress Disorder
,
Radiation
,
Accident
,
Mental health
pp.1019-1021
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902498
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はじめに
1999年9月30日に茨城県東海村の核燃料物質加工施設で発生した日本初の臨界事故は,作業員を含め数十人が被曝し,そのうち2人が死亡する惨事となった人災である。地域住民に対しても,事故現場から半径350m圏内は避難勧告,半径10km圏内は屋内退避勧告という措置がとられ大きな衝撃を与えた。これまでの国内の大きな人災に関連した精神障害,特に外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder;PTSD)を来した報告として,ガルーダ航空機事故3),地下鉄サリン事件2)などがある。今回筆者らは東海村原子力施設事故に関連した放射線被曝への恐怖から,抑うつ気分と不安を伴う適応障害を来した1例を経験した。本症例では精神症状発症の契機が不可視的な状況であるという特徴があり,そのために事故関連の報道内容が経過に与える影響が大きかったため,その点を中心に若干の考察を加えて報告する。
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