綜説
弱視の臨界期に関する最近の知見
杉山 清佳
1
,
侯 旭濱
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科 神経発達学分野
キーワード:
ocular dominance
,
GABAergic interneuron
,
Otx2
,
chondroitin sulfate
,
visual experience
Keyword:
ocular dominance
,
GABAergic interneuron
,
Otx2
,
chondroitin sulfate
,
visual experience
pp.63-69
発行日 2019年1月5日
Published Date 2019/1/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000001018
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人々の経験則として古くから伝えられる「3つ子の魂100まで」ということわざは,神経科学の分野では現実の現象として注目されている。子どもの脳には,経験に応じて神経回路を集中的に形成する「臨界期(あるいは敏感期,感受性期)(Critical Period)」があり,英語や音楽,スポーツなど早期教育を促す根拠となっている。一方で,臨界期における回路の形成異常を放置すると,自閉症や統合失調症などの精神疾患の一因となることが示唆されている。すなわち,臨界期に作られた回路は,生涯,個性として保たれる傾向にあり,臨界期における健全な回路形成が,将来の脳機能を維持するうえで非常に重要である1)。
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