特集 国際化時代の保健活動を考える
―在日外国人を取り巻く状況と課題③―精神科クリニックの多文化外来にみる―在日外国人の精神保健の問題と対策
阿部 裕
1
1四谷ゆいクリニック
pp.1004-1008
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100419
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在日外国人の健康問題を考える際,精神保健対策も重要な課題である。過酷な労働,失業への不安,文化の壁,言語の壁などストレス要因は多く,また医療サービスなどへの情報不足も重なり,問題は深刻だ。
最近では,外国人の集住地域でなくても,電車のなかで外国人と隣り合わせに座ることも珍しくなくなった。筆者は,主に1990年の入管法改正以来,ラテンアメリカ出稼ぎ労働者の診療にかかわってきた。外国人としては偏りがあるが,彼らの日常診療から得た知見をもとに,在日外国人の精神保健対策について考えていきたい。
筆者が診察した外国人患者は300人を超えているが,今回は2006年3月に東京の四谷に開業した精神科クリニックの多文化外来に,開業後6か月半の間に受診した外国人105名を取り上げ,そこから精神保健領域における在日外国人を取り巻く状況と課題を浮き彫りにしていく。
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