調査報告
在日外国人女性の健康問題
中山 弘子
1
,
石井 正子
1
,
篠崎 久美
1
,
細野 修一
1
1千葉県佐倉保健所成田支所
pp.568-571
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900962
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はじめに
わが国では,急激な国際化と労働力不足・経済難民の増加・農村の嫁不足などを反映して,年々在日外国人が増加しており,法律・労働・医療・保健などの面でさまざまな問題が起きている。当佐倉保健所成田支所においても三歳児健診の1会場の受診児60〜100人のうち3〜6人は,父母のいずれか,または両方が外国人である。医療機関からは養育医療給付申請の相談,民生委員からは夫婦生活・離婚・メンタルヘルスなどの相談が増加している。また,結核登録患者の治療中断や行方不明・HIV感染などの保健相談でその対応は多種多様である。人権・生命・生存の問題の対応には,言葉が通じないことは理由にならない。
中でも,未熟児養育医療給付事業における外国人女性労働者の重篤な異常出産例で,緊急対応が迫られた。そこで,当所で関わった2事例を基に,管内の外国人母性の健やかな出産および生活を願って,保健所の役割と支援のあり方について検討した。
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