視点
感染症への対応―何が必要か?
倉田 毅
1
1富山県衛生研究所
pp.90-91
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101735
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昨年4月末に,突如降って湧いたような,国をあげての大騒ぎになった新しい豚由来インフルエンザ(H1N1)は,またたくまに世界を制し,いわゆるパンデミック状態となった.世界が淡々とインフルエンザへの対応をしているのに対し,わが国だけは“新型インフルエンザ”として異常な反応(対応)をしてきた.患者(一般人)ならわからないでもないが,行政も,専門家も,そしてメディアも,政治家も,まさに百家争鳴状態であった.
このところ少し落ち着きを取り戻したかに見える.これは結局,季節性も新しいものも“インフルエンザ”として治療対応は全く変わらないと,ようやく認識がなされてきたからだと思われる.この期に及んで,まだ“新型”などと特別視しているようでは,感染症への対応はなし得ないと思うべきである.
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