特別記事
「日本・ケベック社会問題対話:高齢化社会の問題と対策」からの学び―現場の専門職の対話により,実践への活用をめざす!!
古川 馨子
1
,
阿部 裕子
2
,
宮崎 由美子
3
1静岡県牧之原市健康福祉部
2千葉市保健福祉局健康部
3北海道労働保健管理協会
pp.736-741
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100307
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これまで日加両国においては,政府,学術関係者,学生の間では交流が行われているものの,実務担当者を中心とした交流の試みはほとんど行われていなかった。今回,ヘルスプロモーションの先進地,また福祉の先進地であるカナダにおいて,双方の現場の専門職同士で交流をしたいという熱意が伝わり,在モントリオール日本国総領事館をはじめ,「モントリオール日本月間05 2006」実行委員会の皆様のご配慮によって標題の交流の機会が実現された。
日本とカナダは多くの面で価値観を共有するとともに,先進国社会として共通の問題をかかえている。それが,まさに「高齢化問題」である。それぞれの社会で問題に取り組む現場の専門職間の対話と交流によって,両国の相互理解と協力関係を構築するため,本シンポジウムがカナダのケベック州モントリオールにあるマギル大学で開催された。シンポジウムでは,両国において実際に現場で高齢化社会の課題に従事している10名ずつ(医師,看護師,保健師,人間工学研究者)が,実際の具体的な取り組みについて発表し,さらに課題について意見交換を行った。
また,両国の代表(産業医科大学産業生態科学研究所教授神代雅晴氏,マギル大学高齢医学教室教授ハワード・バーグマン氏)からそれぞれの国の高齢化社会の現状についての基調講演をいただき,続いて以下の3つのセッションに分けて対話を進めていった。各セッションに保健師が参加したので,対話から得たことなどを報告する。
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