特集 地域の中の個別援助
保健婦の個別援助を再考する
鳥海 房枝
1
1東京都北区衛生部
pp.860-864
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901021
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はじめに
保健婦の対人援助技法には,各種の健診や教室という事業を通した,いわばある集団を対象とするものと,個別を対象にしたものとがある。かつて保健婦の援助の固有性は,家庭訪問にあるといわれたこともある。家庭訪問は,本人だけでなくその家族と環境も含めた生活のありさまをみる,そして援助の対象を家族全体とするところに特徴があるというものである。
しかし今日では,各家庭を訪問して援助を行う職種は保健婦だけではなくなっている。身近な例をあげれば,訪問看護婦や介護福祉士といった職種も各家庭を訪問し,そこで技術を提供することを専らの業務としている。とりわけ高齢者への在宅サービスが,ますます求められるようになると予測される状況から,これらの職種の人々も増えてくるものと考えられる。
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