連載 保健師と精神科医との往復書簡・2
「善行の気恥ずかしさ」という言葉に先生が込めた思いについて
ひらす けい
,
S
pp.438-443
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100167
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がん患者として生きる保健師と,地域精神保健活動への助言者である精神科医との間で交わされる往復書簡。援助者としてと同時に患者として,さざなみのように揺れる援助の姿に本物を求める保健師と,援助の検証を深める精神科医との対話から,多くの教訓が引き出されていきます。
S先生
拝啓
朝夕の寒暖の差が激しい年は,樹木の色づきがことさら美しく映えると聞きます。私のふるさとも,紅葉めぐりの観光客がにぎわう季節に近づいてきました。でも,今年も錦織りなす風景の便りが届くかどうか,自然はどんどん環境破壊に蝕まれているように感じます。
この季節は,半年の活動実績を積んできた私たち保健師が,地域ぐるみのイベントやお祭り行事にせっせと励む時期でもありました。地域活動のフィールドが保健師の意識に占める割合が小さくなりがちな昨今,そうした季節ごとの弾むような期待が遠ざかっていくように思えてなりません。
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