FOCUS 中山間地における配食ボランティアサービスの発展にみる自立支援のしくみづくり 住民・保健師・福祉職の協働のあり方
配食ボランティアの認識にもとづく高齢者の自立支援のしくみづくりの実態と課題
吉本 照子
1
,
栁澤 尚代
2
1千葉大学大学院看護学研究科
2岐阜大学医学部看護学科
pp.390-393
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100090
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地域は人々が人間関係を展開し,生活を社会化することで互いの暮らしを支えるしくみを作っていく場所ととらえることができる1)。配食ボランティアサービス(以下,「配食サービス」)では,利用者の日常生活の場でボランティアが食事を手渡し,相互の生活リズムが影響しあう。さらに,ボランティアがその経験を振り返り,利用者の生活の場で自立した生活を支援するための課題について考え,実践する機会の1つともいえる。
しくみの発展は,しくみを構成する各要素の自立と成長,機能強化が前提であり,住民と保健福祉職者の成熟が必要である。また,ルールや活動のベクトルの方向性を揃える必要もある2)。したがって,地域における配食サービスを高齢者の自立支援のしくみの一環となるように発展させるには,援助専門職としての保健福祉職者が,ボランティアと利用者の間の食事の手渡しの状況や問題,工夫を理解し,振り返りの機会をつくり,見出した課題を実践できるように,ボランティアを支援する必要がある。しかし,ボランティアと利用者の相互作用の実態,およびその背景要因に関する報告は,比較的少ない。
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