医療講座・1
医療と患者
川上 武
1
1杉並組合病科・内科
pp.51-60
発行日 1970年5月25日
Published Date 1970/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908949
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被害者は常に患者
医療をめぐる諸問題が社会の注目をあびる機会は日々に強まっています。マスコミの医療記事をとってみても,医療問題が何等かの形で登場しない日はないくらいです。だが,その内容を詳細に検討してみると,まだ,どちらかといえば,医者をめぐる問題がほとんどです。
しかし,現状をみればたんに,医者の問題だけを解決すればすむというようなものではありません。最近やっと看護婦不足が社会的な問題になってきたが,それも看護婦だけの問題としてとらえられ,他の職種に共通した矛盾として取りあげられていない。ひじょうに応急対策というか,弥縫的な策だけが行なわれているのが実状です。
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