特集 医療と人権
対談 医療と人権
牧瀬 菊枝
,
川上 武
pp.10-19
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915873
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体験から訴える医療における人権
牧瀬 私は患者の人権を守っていただくためには,お世話をしてくださる看護婦さんの人権ということを考えます。看護婦さんの人権が,労働条件やその他すべて守られていなかったなら,すごく苦しい。大病院に入院して強く感じたわけです。
患者は,ほとんどの方が人権意識なしで入っているようです。たまたま意識のある人が要求なりお願いなりすると,たいへんひどいめにあう。ひどいめにあうというと大げさですが,いろんないやな思いをしなきゃならないということを感じました。ふだん生活記録のサークルをやっておりまして,お互いに人間関係というものが,どういうふうにしたらうまくいくかということを考えていたのが,いざ自分が患者になって,ポンとそこへ入れられてしまったら,看護婦さんや先生との人間関係を作りたいと思っても,自分が病的な条件になっているので,まるでお手あげなんです。2か月閉じ込められずいぶん悩みました。
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