特集 新しく専任教員となられた先生のために
新入生は何が一番不安だったか
新らしい環境に早く慣れたい
吉村 香代子
1
1日本赤十字女子短期大学
pp.21-23
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908837
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昨年4月,いろいろの希望と不安に包まれて入学し,早くも1年が過ぎ去ってしまいました。高校時代までの親元での生活を離れて,ただひとり上京し,若き女性の園での生活がはじまったわけですが,その当時の私たちの心理状態は,ちょうど右も左もわからない異国に,ぽつんとひとつ置かれたときのその気持と同じだと思います。
ぜんぜん知らない人たちと暮らす寮生活。今までの気楽な,そしてお互いに気心の知れた家族との生活と異って,全くの他人と朝夕を共にするわけです。入寮したその日から同室の上級生から寮の案内をしていただき,洗濯場やクッキングなどを見ては,これからの寮生活の一幕を思いうかべたことでした。また寮監の先生からもオリエンテーションがあり,浴室,洗髪室,食堂などでの細かい注意もうけて,最初の不安も少しは除かれました。こうしていよいよ寮生活がはじまったわけです。が,寮生活をしていく上に最も大切だと思われる友だちとの交わりはすぐにはできません。そこで,私たちは1年生だけの親睦会を開きました。
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