特集 新しく専任教員となられた先生のために
新入生は何が一番不安だったか
心配だった人間関係
草間 節子
1
,
豊島 閲子
1
1都立第一高等看護学院
pp.20-21
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908836
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「高校は温室である。卒業したら自分で正しいと思う道を見つけて歩まなければならない。いつまでも注意を自分に向けていてはくれない。」と言う高校卒業式の訓辞を,再び白衣の白さが厳しく語っているようでした。そして希望していた将来の職業の糸口となる「生命」に関する学問を学び得ることへの喜び,不安,厳粛さをあじわい,感慨深い入学式を終らせました。
私たちは誇りと喜びと不安の入り混った気持で,2日間のオリエンテーションを受けました。通学生は入寮生のような寮生活に対する不安は全くありませんでしたが,生まれてはじめて家族と離れて集団生活をしなければならない寮生にとっては,心静かに父や母を見送ることは決して簡単なことではありませんでした。「寂しさと不安」,しかしそんな私達を見通していた上級生は,積極的な「挨拶」や話しかけなど,行動でぐいぐい新しい環境の中に引っぱってくれました。しかし当然ながら,自ら解決しなければならない問題や,些細な不安も多くありました。食堂への階段を降りながら,「どんな食堂かしら,何が食べられるか,食事後はどんなことをするのか」などたあいないことを考え,恥かしさと不安で胸をドキつかせたりもしました。
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