特集 新しく専任教員となられた先生のために
臨床指導者との連絡
上平 千秋
1
1専売公社東京病院高等看護学院
pp.12-14
発行日 1966年4月1日
Published Date 1966/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908833
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はじめに
看護教育の問題点は多々あり,その問題点の解決は,努力の甲斐もなく,遅々としてすすまない。特に臨床実習指導の面においては,臨床指導者の数・質,指導要綱,指導計画,指導技術など問題は多い。例えば,臨床指導者の数・質の点をとってみても,柴田明子他3名著「看護学生—意欲調査からみた実態—」の臨床指導者の項をみてもわかるように(第1表参照),専任の臨床指導者が置かれている学院は少なく,他の多くの学院では,婦長か主任看護婦が兼任,またはスタッフ・ナースが,学生係と称して,人手不足で忙しい看護の合間に,学生の世話(指導とはいえないような気がする)をしているのが現状だと思う。しかし,このような恵まれない環境の中にあっても,それぞれが「少しでも良くしよう」と,涙ぐましい努力を重ねていることは,昨年の岡山で開催された全国看護研究学会の第3会場の研究発表にも表わされている。
さて,臨床指導者との連絡というテーマで,まとめてほしいと依頼されたが,いま述べたように,問題が山積されているところに立って,少しでも良くしようという気持を持っているつもりのひとりであるが,意図的・実験的に実施したことのない部分(テーマ)なので,参考になるかどうか,はなはだ疑問であるが,本学院でやっていることと,多少私なりの考えを述べてみたい。
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