連載講座 基礎看護実習についての一つの試み
X.排便浣腸,導尿,便器・尿器の与え方—東京大学医学部衛生看護学科基礎看護学講座
林 滋子
pp.48-51
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908776
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いわゆるpersonal needsの一つとされる排泄の中では,主として排便・排尿に関する事項がとりあげられる。したがってこれに関する実習としては,排便浣腸の方法,導尿の方法,便器・尿器の与え方,留置カテーテルの方法,排ガスの方法などがとりあげられている。これらの実習は直接看護する対象にあたってこそ,はじめて実習することが可能であると思われる。しかし,ほとんど病室実習の時間を持たなかった過去7年間の基礎看護の課程においては,結局デモンストレーションを行なうだけであった。したがってこの場合,いかにしてこれらを学生に紹介するかが問題であり,また一つ一つが単に独立した手のわざとしてとらえられないよう努力することが大切であると思われた。これらのデモンストレーションを行なう前には,排泄のcareに関する説明を行ない,これらの事項がその一部としてのcareの方法であることの位置づけを強調するようにした。
しかし現在,このような技術を単に人形によるデモンストレーションで,後の病室合同実習に受けついでゆく方法の意義については,当講座において問題となっている。
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