連載講座 基礎看護実習についての一つの試み
IX.経管栄養法
小玉 香津子
1
1東京大学医学部衛生看護学科基礎看護学講座
pp.47
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908775
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〈食〉に関連して経管栄養法を実習項目にいれてある。
手順を主としたデモンストレーションを行なった年度が多く,講義の中での物品呈示だけの年度もあった。いずれの場合も基礎看護に続く臨床実習での学生の経験と臨床指導者の指導を予定していた。4回生(昭和33年度)では基礎看護のコースからはぬいておき,臨床実習が始まってから外科の講座と共同のカンファレンスの時間をもうけ,そこでとりあげた。その際は学生の受け持ち患者の中から非経口的食餌摂取を行なっている症例を撰び,経管栄養法の適応,使用流動物についてなどいろいろな点から検討している。このやりかたは単なる教室デモンストレーションより効果的であったと思われるが,その後はこうした機会をもてなかった。最近の数年は〈臨床ですぐにできる〉ことは基礎看護のレベルとしては期待しないという線で,教室デモンストレーションのみを行なってきた。あらゆる年令の患者にそれぞれ完全な経管栄養を行なうための基本的知識と手順の紹介である。なお今後基礎看護講座が独自の病室実習を強くうちだしてゆくとすれば,経管栄養法も臨床のデモンストレーション,指導,学生の経験を通して学ばれることになろう。
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