調査研究
皮下注射実施に伴う不安内容の分析—状態不安得点と学生の反応の比較を通して
山本 留美子
1
1帝京高等看護学院第1看護科
pp.43-47
発行日 1989年1月25日
Published Date 1989/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908620
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はじめに
看護学生が看護技術を習得していく過程で,特に不安や緊張を抱きやすいものとして,「注射」や「鼻腔カテーテルの挿入」があげられる.それらの不安の内容は,学生個々により程度に差はある.薄井は,技術の習得過程には「知る段階」「身につける段階」「使う段階」がある1)と述べており,中には,学内で習得すべき段階において,不安のあまり,学内実習の効果があがらず,充分に身につけないまま終わってしまう学生もいる.
昭和62年に筆者は,「皮下注射の実施における学生のリラクセーションの試み」の研究を行ない,教員,学生間のスキンシップが効果があること,そしてそれが最も効果があるのは,注射の実施直前に状態不安が高値を示す学生であることを明らかにした.そこで,状態不安尺度が,不安軽減のための教育的配慮をする上で指標となるのであれば,それが高値を示す学生の不安内容にも何かしらの特徴が現われるのではないかと考えた.
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