特集 学内実習
ペーパーペイシェントを用いた成人・老人患者の看護展開の演習—看護過程にそって
田村 やよひ
1
1筑波大学医療技術短期大学部
pp.791-796
発行日 1987年12月25日
Published Date 1987/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908461
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はじめに
‘学内実習’という特集テーマに対し,日頃私たちが‘演習’とよんでいる内容を紹介することに若干の戸惑いを感じ,改めて辞書をひもといてみると,‘実習’は「実地または実物について学習すること」(広辞苑)となっている.学内は看護の実際の場ではないし,実物の患者がいるわけでもない.それにもかかわらず,‘学内実習’は存在し,しかも看護学の学習の中では,座学と臨床実習を結ぶ重要な教育方法として位置づけられているのである.
このような認識の下に‘学内実習’を考えてみると,これは,学内において実際に近い状況・状態を人為的に創り出し,そこから学ぶことを意味することになる.ペーパーペイシェント(Paper Patient)はある実際の患者の情報を学習用に整理した,いわば模擬患者である.したがって‘演習’とよんではいても‘学内実習’とよびかえることも可能であろう.以上のような解釈をし,この課題に取り組むことにした.
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