視座
IT革命―ペーパーレスの時代
井樋 栄二
1
1秋田大学医学部整形外科
pp.1147-1148
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903647
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IT革命が叫ばれ,情報の多くはコンピュータを介して入ってくる時代になった.ペーパーレスの時代とも言われ,通信は従来の手紙に代わって,電子メールが主流になりつつある.電子メールは大変便利な通信手段である.相手が外国であっても,送信後数分で返事がくるということもしばしば経験する.英語では瞬時に届く電子メールに対して,日数を要する手紙をカタツムリ・メール(snail mail)とおどけて呼ぶこともある.スピードだけではない.電話のように無理やり相手の時間に割り込むことはないので,時間の暴力などと言われることもない.4年前にワシントン大学に見学に行ったとき,医局内の連絡が電子メールで行われているのをみて驚いたが,今ではうちの医局でも医局内の連絡事項は電子メールを使うのが一般的になっている.先月には,大学の事務から学内の連絡事項も,書面よりも電子メールを優先して使うとの連絡があった.時代は正に電子メールの時代に入った.手紙に続いて,雑誌,書籍も電子化されつつある.主だった雑誌は電子化され,その最新号は,雑誌が手元に届く前に,インターネット上でみることができる.図書館でも電子雑誌の購入が始まった.電子雑誌でしか流通しない雑誌も出始めている.電子雑誌には省スペースなどの利点に加えて,ビデオなどの動画を載せることができるという大きな魅力もある.さらに情報公開,医療の標準化という点からカルテの電子化も始まっている.
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