特集 看護倫理と看護教育
生命倫理上の問題をどう考えるか—看護婦・助産婦・医学系学生への調査から
品川 信良
1
,
野村 雪光
1
,
平岡 友良
1
,
吉田 秀昭
1
,
三浦 秀春
2
,
吉川 友能
2
,
五十嵐 靖彦
3
1弘前大学医学部産婦人科学教室
2弘前大学医療技術短期大学部
3弘前大学人文学部
pp.410-418
発行日 1987年7月25日
Published Date 1987/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908395
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生命倫理に関する論議は,このところ,日本においてもきわめて活発である.しかしその多くは,①マスコミ主導型のものであるか,または,②いわゆる知識人やオピニオンリーダーによる,西側キリスト教国のそれの翻訳型のものであって,日本人のナマの声に基づいたものはほとんどない.もともと日本人の精神的風土や生命観・倫理観は,欧米人のそれとはかなり違うのであるから,日本人について調べるのでなければ意味があまりない,と考えてこの調査に着手した.
ただしこの種の調査は,医学や医療についての知識が乏しいものについて行ってもあまり意味はない.さりとて専門の医師について行ったのでは,偏った意見が出るかもしれない.そこで私たちは,両者の中間ともとれる,看護婦・助産婦・医療医学系の学生などを主な調査の対象とした.というのは,彼らは,生命倫理を考えるのに必要な,かなりくわしい専門的な知識を持ち合わせているし,それに年齢的な若さなどもあって,自分たちの立場などにはあまりこだわらずに回答してくれると思ったからである.
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