研究・調査・報告
助産婦外来の開設とその主な成績
品川 信良
1
,
野村 雪光
1
,
楢木 弘
2
,
小林 栄子
2
1弘前大学医学部産婦人科学教室
2弘前大学医学部付属病院
pp.49-53
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206579
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はじめに
私たちは「近代的な施設内での助産婦業務の確立をめざす」とともに,「女性である助産婦による,キメ細かい行き届いた保健および生活指導を行なう」1)ことを主な目的にして,試みに昭和55年から「助産婦外来」を始めてみた。通常「助産婦外来」と呼んではいるが,私たちのシステムは助産婦だけで妊婦外来をやっているのではない。産科医とタイアップして,チームを作ってやっているのである。したがって厳密には,Midwives-Obstetricians Tie up(MOT)システムと呼ぶほうが正しい(図1)。助産婦と産科医がお互いの特徴を生かしあい,補いあおうというわけである1)。
さて,1983年8月札幌市で開催された第24回日本母性衛生学会において「弘前大学産科における助産婦外来の占める位置」と題して報告した際2),「助産婦外来をやりたいが,そのための留意点は何か」「どのような内容でやっているのか」などの御質問を受けた。また,同学会での発表を聴いて「私たちの所では,医師が中心となった産科外来のみで,保健・生活指導が行なわれていないので助産婦外来をやりたい」という趣旨のものも見受けられた。本誌37巻7号でも「助産婦外来」と題して特別企画が組まれ,助産婦外来についてさまざまな立場から検討が加えられている。
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