研究・調査・報告
各種産科異常の最近の頻度—北奥羽地区(1981-82)における分娩1万余例に関する調査集計
品川 信良
1
,
田中 誠也
1
,
大石 孝
1
,
太田 真司
1
,
棟方 哲
1
,
野村 雪光
1
,
安斎 栄一
,
石上 博
,
大橋 正俊
,
小川 克弘
,
小倉 秀彦
,
奥山 敏夫
,
小田 得三
,
片桐 清一
,
神部 憲一
,
小松田 紘安
,
斉藤 勝
,
斉藤 正昭
,
佐々木 京子
,
笹村 二郎
,
佐田 郁子
,
佐藤 卓一
,
佐藤 仁
,
白取 秀世
,
菅 三知雄
,
関 一彦
,
高沢 哲也
,
高村 郁世
,
竹内 泉
,
竹下 敏光
,
田辺 鷹康
,
中野 陽生
,
中村 幸夫
,
西村 幸也
,
野呂 秀逸
,
蓮尾 豊
,
平岡 友良
,
福士 明
,
長沢 一磨
,
前田 由子
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.782-787
発行日 1984年9月25日
Published Date 1984/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206520
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産科関係の数値や統計値のなかには,①ここ1世代や2世代の間には到底かわりそうにないもの,②ごくわずかずつではあるが,確実にかわりつつあるもの,③きわめて急速にかわりつつあるもの,の3種がある。例えば,胎児や新生児にみられる男女の性比,性周期(の日数)などが,ここ1世代や2世代の間に大きくかわるとは思われない。したがって,古い教科書にある記載は,ここ当分の間は通用すると思われる。また,新生児の生下時体重,婦人の骨盤の広さなどには,ごくわずかずつではあるが,明らかに変化が現われ始めている。しかし,だからといって,いま直ぐ教科書の記載を訂正しなければならないというほどのものではない。しかし産科学の進歩や産科医療の普及などのために,どんどんかわっている数値も少なくない。例えば帝王切開の頻度は,そのよい例である。また,妊産婦死亡率や周生期死亡率などのように,その数値をかえて好転させること自体が,産科学や産科医療の,手近な具体的な目標であることすらある。したがって,これらのものに関する教科書などの記載は,年々歳々かわってゆくのがあたり前であって,いつまでも古いものが引用されるべきではない。
しかし現実には,最新の産科的事情に関するデータは意外に少ない。
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