NURSING EYE
学生の調査研究が生んだ社会的波紋—女子高校生の性に関する実態調査が投げかけたもの
石原 幸子
1
1甲府看護専門学校
pp.322-325
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908383
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
学生の調査研究が新聞記事に
ある日,ふと開いた朝日新聞の地方版朝刊に5段抜きの見出しで‘遅れています!性教育―3人に1人は体験,避妊組わずか半分.甲府で女子高校生を調査’とある.思わず読んでみると,なんとこれは昨年10月,本校看護学科2年生(2年課程定時制)が学内発表した‘女子高校生の性に対する意識調査’を取りあげたものであった.
この記事の内容は,性体験の低年齢化が,いじめに変わる深刻な教育問題になりつつあるとの指摘であった.甲府看護専門学校生たちが実施した‘女子高校生の性に対する意識調査’では,ほぼ3人に1人が性交渉,3人に2人はキスなどの性体験を持っていた.回答者の中には,人工妊娠中絶の経験者もいて,妊娠や避妊に関する理解不足や,性行為を安易に考えている傾向がうかがえる.この調査結果をふまえて県教育委員会や学識経験者で組織する心の健康推進委員会は,1月中に児童・生徒を対象にした本格的な性意識調査をし実態の把握を急ぐ,というものであった.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.