特集 ‘死’と看護教育
—講演(日本大学ターミナル・ケア研究会特別集会から)—森鷗外の死生観
宮本 忍
1
1日本大学
pp.171-178
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908211
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衛生学者としての森鷗外
初めに,私が森鷗外にどうして関心を持ったかということを少しお話してから,本論にはいりたいと思います.
皆さんの中で森鷗外の作品を読んだことのない方は,おそらく1人もいないだろうと思います.今日,話題にしたい“高瀬舟”などは教科書に載せられていると聞いていますから,皆さんはきっとお読みになっていると思います.私は,森鷗外は衛生学者として,明治時代では第一人者だと思っていますが,そういう鷗外については,あまり知られていないようです.ですから,私は衛生学者あるいは医者としての鷗外を見直そうとしたわけです.
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