21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・6
CORK(コーク):メアリー・エイケンヘッドの生まれた土地
岡村 昭彦
pp.550-559
発行日 1983年9月25日
Published Date 1983/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907868
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残された時間内でのアプローチ—セント・パトリック病院(ダブリン)にて
守衛もだれもいない正門を入り緩い坂を下ると,右手が病院の玄関であった.午前9時だというのに,扉の内外には人影はなかった.私は中に入り,すぐ正面右側の受付に座っていた看護婦に訪問の意図を告げた.電話は直ちにアドミニストレーションの総責任者であるクランプトン氏に回され,数分もすると彼自身が受付左背後の階段から大きな体をゆすって降りてきて,廊下左手の後ろ奥にあるスウィフトの遺品などが飾られてある特別理事会議室に私を案内した.
‘昨夏からお手紙をいただいていたので…….いま総婦長に連絡し,彼女が病院の中をご案内します.どうかそれまで,この部屋をゆっくりごらんください.私はちょっとやりかけの仕事をすませ,すぐ戻ってまいりますから……’
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