21世紀の看護を考えるルポルタージュ ホスピスへの遠い道—マザー・メアリー・エイケンヘッドの生涯・5
ダブリン市内での資料探訪の7日間
岡村 昭彦
pp.486-494
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907854
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大運河のQuay(キィー)(船着き場)から
日本風に言えば,お正月の3が日が過ぎて,アイルランドの首都ダブリンも,生活のリズムを取り戻したようであった.私も年末からの,エキュメニカル・スクールの一室での短い黙想から抜け出し,ジャーナリスティックな活動に戻っていった.私の泊まっているペンブロック・パークの20番地から,今日たずねる東部地区医事部の‘医学社会調査局’は,ゆっくり歩いて15分の距離にあった.
私は大運河に沿って河口に向かいながら,バスからもよく見える水門の近くのバゴット通りに面し,スティーブンス・グリーンに向かって右側の建物も終わりに近いレンガ建のオフィスへと足を運んだ.夏になると悪童たちの格好な水泳場となる水門のあたりも人影は無く,流れ着いたビニール袋が冷たい霧雨にたたかれ風に鳴っていた.
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