特別寄稿
アイルランド(ダブリン)での国際会議「倫理と医療」に出席して—特にアイルランドにおける母子医療と未婚者の妊娠
品川 信良
1
1弘前大学医学部産科婦人科学教室
pp.204-211
発行日 1981年3月25日
Published Date 1981/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205827
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去る1980年の9月26日から3日間,「倫理と医療,1980年--人命を尊重する医師の世界大会」(Ethics and Medicine,1980-International Congress of the World Federation of Doctors WhoRespect Human Life)という会議が,アイルランドのダブリンで開かれた。物ずきや好奇心もあったが,ちょうどほかの産科関係の別の国際会議のために海外に出る都合もあったので,そのついでといえば先方には失礼であるが,私はこの国際会議に出席してみた。主催者側は,日本の各界にもかなり働きかけてはみたが,日本からの出席者は結局私1人で,私は変なことから日本代表ということにされた。いろいろの人の挨拶や配布されるパンフレットにはJapanの国名が必ず出てくるが,これは私がはるばるたった1人出席したためかと思うと,少々鼻が高い。ただし,あとでも触れるように,キリスト教国でもなければ人工妊娠中絶禁止国でもなく,ひたすら外貨の獲得と消費に腐心している多くの日本人からみれば,この会議はおよそ無縁の国際会議であったのかも知れない。
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