特集 保護室を語ろう
保護室アンケート
「保護室アンケート」をどう読むか
花房 香
1
1岡山県立岡山病院
pp.22-25
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900176
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看護職以外の読者にも,このアンケートが十分に味わえるように解説して欲しいとの依頼を編集部から受け,若干の解説を付そうと思う。
私は,公立単科の精神科病院に勤務する臨床心理士であり,直接保護室を担当する職種ではない。私は,自由であることを保証しながら,創造的治療空間の“場”を作り出す「“たまり場”絵画療法」に興味を持ってきた*1。しかし,近年,1人の治療者ができることのささやかさを感じるとともに,「療法」以上に「臨床」の奥深さを意識するようになった。そして,物言わず存在しつづける空間の治癒力の大きさと大切さにも,意識が向くようになった。現在は,一般の集合住宅が,そこに生活する人の行動に無意識のうちに与えている影響,建築構造の治療的意味を検証しようとしている。
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