特集 看護教育とシミュレーション
Ⅱ.シミュレーション教育の実際
‘前期破水産婦の看護過程’の学習プログラム
田代 順子
1
1筑波大学医療技術短期大学部
pp.50-54
発行日 1982年1月25日
Published Date 1982/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907639
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Ⅰ.学習プログラムの概要
1)目的
分娩各期の看護は,母性看護学の大きな単元の1つである.この教育目標は,学生があらゆる産婦に対して適切な看護ケアが提供できることである.この目標達成のため,産科学から始まって,正常・異常の分娩,母性看護学の講義による分娩各期の基本的看護,演習でのケース展開までが学内学習で行われる.
しかしながら,分娩は一定経過をとるにもかかわらず,1件,1件の分娩は異なる.同時に,分娩経過は常に動いている.常に動いている分娩経過の中にある産婦に対して,学生が適切な看護ケアを提供できるためには,静的な講義や演習では不十分である.学生は,時々刻々の状況を学習した知識で判断するとともに,自らの判断と,それに基づく看護計画が立案でき,その計画の効果を評価し,次のアセスメントに反映させることができる能力が必要である.
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