特集 看護教育とシミュレーション
Ⅱ.シミュレーション教育の実際
‘脳出血による意識障害患者の看護’の学習プログラム
田村 やよひ
1
1筑波大学医療技術短期大学部
pp.43-49
発行日 1982年1月25日
Published Date 1982/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907638
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Ⅰ.学習プログラムの概要
1)目的
我が国の脳血管疾患による死亡は減少傾向にあるとはいえ,いまだ人口10万対137.7(昭和54年)で,死因別死亡率の1位にある.脳血管疾患の入院患者の死亡率は20%以下といわれているが,死亡の危険は少なくない.また,たとえ生命をとりとめたとしても後遺症が残るものが多く,そのリハビリテーションには患者・家族ともに大きな努力を払わなければならない.
急性期の脳出血の患者看護にあたっては,第一に救命が目標となろう.この目標を達成するために,看護婦には細部にわたる確かな観察力と的確な判断力,および正確で手早い看護技術が要求される.もし,学生が臨床実習において急性期の脳出血の患者を看護するチャンスに恵まれたならば,そして知識・技術ともに優れた看護婦の指導のもとであれば,彼女たちは多くの学習をすることができるはずである.しかし,このような機会はめったにあるものではない.
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