臨床メモ
前期破水とRDS
竹内 久彌
1
1順天堂大学産婦人科
pp.320
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205409
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前期破水例に呼吸窮迫症候群(RDS)が起こり難い傾向のあることをRichardsonらが報告して以来,これを引用する文献が増えているようである。破水によつて胎児にある種のストレスが加わり,これが胎児の成熟を急速に促すのではないかと考えられるのであるが,今度はこれを否定する報告があらわれたので紹介することにした。
コロラド大学のDouglas Jones,Jr.ら(New England J.Med.292,1253,1975)は16,458例の分娩について,各種異常とRDS発生との関連を各妊娠月別に検討した。その結果,まず帝切例には有意にRDSが発生しやすいが,母体糖尿病では明らかでない。分娩前の出血や中毒症とRDS発生には関係がなさそうである。アプガー指数(1分後)では5点以下も8点以下も同様にRDSが多くなる。
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