看護研修学校特殊研究・1
行動変容をきたした2事例について,入院中の子供の学習を看護の立場から考える
松坂 真砂子
1
1日本看護協会看護研修学校
pp.529-538
発行日 1979年9月25日
Published Date 1979/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907363
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はじめに
急性疾患の診療に重点をおいている総合病院における,入院中の学童への学習指導(系統的な知識・技術を習得させること)は,看護業務の繁雑さ,短期入院の小児が多いこと,その他諸々の事情からどうしてもおろそかになりがちなのが現状であろう.しかし成長発達の途上にある学童であるということを考えた場合,治療中心の生活でありながらなお,学習は子供にとって不可欠のものであると考える.そこで,そういう時期にある子供を対象に看護する者として,学習者へも目を向ける必要があるのではないだろうかと考えていた.
小児病棟で勤務している間中,学校生活を中断させられ無為に日を送っている学童に数多く接していくなかで,更に強く学童への学習指導の必要性を感じてきた.幸い2年前に,病棟で大学生のボランティアを導入し,週1回,個別指導という形で学習会を始めることができ,現在も続けられている.看護婦が仕事のあいまに声をかけて勉強させるのとは違って,毎週一定の時間,勉強を教えてくれ,話し相手や遊び相手にもなってくれる人がいるので,子供たちも喜んでいた.
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