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大学における臨床実習目標の明確化に関する研究—看護学総論を手がかりとして
井上 智子
1
,
雄西 智恵美
2
1徳島大学教育学部看護学教室
2北里大学病院
pp.371-379
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907342
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はじめに
看護は抽象的な概念ではなく,対象に具体的に働きかけていく実践的な活動である.それゆえ,その教育過程において臨床実習の意味するところは非常に大きく,事実,臨床実習には多大な時間が割かれている.しかし,実践に照準を合わせて臨床実習をし,かつライセンスを与えらわた後,配属された病棟で味わうあのあまりにも大きな戸惑いは,いったい何なのだろうか.
筆者らの臨床実習の経験から,安易に何でも臨床実習に負わせる傾向がある一方,貴重な臨床実習の期間に実習しやすい項日の経験が集中し,またその反対に本来臨床実習でなければ経験できない項日が見落とされたり,という重大な問題があることに気がついた.またその意味からも,実習内容・期間の根拠もあいまいではないかと思われる.
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