特集 看護婦国家試験の再検討
知識範囲と知識レベルからみた看護婦国家試験
中西 睦子
1
1神奈川県立衛生短期大学
pp.361-369
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907341
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はじめに
看護婦国家試験を見る度にいつも思うことは,看護婦教育の理念との大きな隔たりである,雑多で断片的な知識の量のみを問い,それらの知識を統合する能力についてはきわめて寛容な,しかも権威ある教育評価の基準として国家試験は存在している.国家試験問題集を手をこして,‘おや,こんな問題も出ているんですか.それでは,このこともしゃべっておかなければ’といった,教育者としてはビギナーである熱心な専門家のことばを聞かされる度に,問題集の存在理由を考えてしまうのである.国家試験問題は,暗黙のうちに個々の教育者の,そして時には看護学校の教育方針をも導いている.その内容がどのような意味をもっているかを明らかにしたく,特に看護知識と関連領域の知識という観点から,我流ながらメスを入れてみた.
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