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看護教育における‘精神科看護’の役割
野田 正彰
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1奈良県立医科大学神経精神科学教室
pp.559-569
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907248
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はじめに
高度成長政策がその生成と乱舞と衰退の1サイクルを終え,ビル建設のトタン壁の囲いに会うことの少なくなった今,都市の夜空にひときわ大きく浮かび上がっている影がある.それは,巨大な病院である.
イギリスで,‘かつてコミュニティの象徴であったのは教会であったが,今は病院に移った’という言葉がきかれる.しかしこの国では,金がある時,福祉を多分にその容器の乱造の問題にすりかえてしまった.人々が出会い,援助しあい,そして擦れ違い去っていく場としてのコミュニティがないところに,不老不死の信仰が現代に姿を変え,とどまるところを知らない検査技術の革新と,それを始動させる医療電子産業につき動かされて,高層化した病院が今,眼の前に立っている.
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