巻頭言
精神医学教育の場としてのコンサルテーション・リエゾンの役割
一ノ渡 尚道
1
1防衛医科大学校精神科学講座
pp.4-5
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903797
- 有料閲覧
- 文献概要
医学の専門化が進む中で,各診療科間の密接な協力関係の重要性はますます高まりつつある。従来,他の診療科間では,必要に応じて自然な形で相互の密接な協力関係ができあがってきた。ところが精神科の多くにおいては,他の診療科との協力関係は残念ながら,円滑に行われてきたとは思えない。その理由を他科の医療従事者たちの精神医療に対する偏見のせいにすることは簡単ではあるが,私にはむしろ,我々精神科医の側により多くの問題があったように,自己反省も含めて思われる。
この20年ほど前から,精神科コンサルテーション・リエゾンの重要性が指摘されるようになり,多くの総合病院や大学病院において活発な臨床活動が行われるようになった。そのお陰で現在では,総合病院における精神科コンサルテーション・リエゾンの必要性は,他科の臨床医にも次第に認知されるようになってきた。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.