私の発言
卒後教育システム化の構想—模索と提案
上野 フジエ
1
1国立習志野病院
pp.337-341
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907100
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はじめに
現在,多くの病院や機関で現任教育をはじめ,いろいろな形態での卒後教育がなされているけれども,それが体系化されているところは少ないように思う.その多くが,私的な院内教育の域をでていない.また,病院によっては,マンパワーの確保のためにというところもあろう.卒後教育がクローズアップされてきた背景のひとつには,生涯教育というコトバの浸透があるかのようにも思える.実践の場における看護教育も,生涯教育として継続していく必要がある,という取り組み方の姿勢が問われているといってもよい.
医学情報量だけでも年間10%から15%は消耗されていくといわれている今日,学校で得た知識や技術が不変のものではありえない.社会の変動は激しい.知識や技術の耐用年数を維持させるためには,基盤は頑丈(がんじょう)につくり,内容は時代に即応させて構築するsystemをとることが必要ではないだろうか.私に与えられたテーマは,‘今日の医療状況のなかで,卒後教育はいかにあるべきか’ということである.そこで,社会化の傾向をたどる医療状況のなかで‘統合’をフレームワークとするsystem概念をふまえて考えをまとめてみたいと思う.
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