第2回四大学看護学研究会研究報告
研究報告・2—熊本大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程の10年を振り返って
山元 重光
1
1熊本大学教育学部・看護教員養成課程
pp.297-302
発行日 1977年5月25日
Published Date 1977/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907094
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はじめに
昭和38年12月,神奈川県に学校教育法に基づく高等学校普通教育および厚生(衛生看護)に関する専門教育を施すことを目的とする二俣川高等学校が設立されたのを出発点として,全国各地に看護学校あるいは高等学校の衛生看護科として,現在132校(昭和50年10月末現在)が設置されている.しかし,高等学校教育における他の教科と肩を並べ教職員免許法に基づく高等学校教諭の免許状をもち,看護の授業を担当し得る資格を有する教員は非常に少なかった.したがって文部省においては,急いで看護教員の養成をし教員を確保する必要があったので,高等学校衛生看護科教員の現職教育講座を開催する一方,教育学部と医学部との連係が比較的よくとれていると考えられる大学に,特別教科(看護)教員養成課程(以下看護課程と略す)を設置することになった.
まずわが熊本大学教育学部に昭和41年4月,この課程が設置され,次いで徳島,弘前,千葉の各大学に順次設置されたことは周知のとおりであるが,最初に設置された当大学は早くも10年を経過した.しかしその10年間は決して順調に経過したわけではなく,出発点からいろいろな問題をはらみ,また10年の経過の中で起こったさまざまの事柄を処理しながら,なお多くの複雑な問題を残している.
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