私の病棟日誌・2
‘反’と‘脱’
日下 隼人
1
1東京医科歯科大学医学部小児科学教室
pp.170-172
発行日 1977年3月25日
Published Date 1977/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907076
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生の中への死のとりこみ
もう少し白血病のことを通して‘死’について(ということは,前回も述べたように‘生’についてなのだが)考えてみたい.私たち医療の現場にいる者は,多かれ少なかれ他人の死の前に日々身を置いているといえるだろう.で,そのことは私にはどうも居心地が悪いというか,尻が落ち着かないとでもいうか,そういう違和感を与えているようだ.そのあたりをとりとめなく見まわしてみよう.
井上俊氏の“死にがいの喪失”(筑摩書房刊)を読んで,私には2つの点が現在の自分とかかわりをもっておもしろかった.
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