成人看護学各論の授業展開
Ⅶ.内分泌・代謝疾患患者の看護
高木 永子
1
,
秋山 光子
1
,
熊谷 智子
1
1東邦大学高等看護学校
pp.647-655
発行日 1976年10月25日
Published Date 1976/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907034
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はじめに
東邦大学高等看護学校(以下本校と略記)の成人看護学各論の指導において,内分泌・代謝疾患患者の看護をアレルギー性疾患・膠原病患者の看護に次いで8番目に配列したのは,次の理由による.内分泌・代謝系に障害が生じると,心身の恒常性維持をはかる自動調節機能に支障をきたし,多彩な精神神経・身体症状を呈する.そのため他器官系疾患患者の看護(本誌Vol. 16 No. 12,Vol. 17 No. 5-9参照)の学習終了後に本疾患患者の看護を配列し,関連づけて指導を行い,看護の理解を深めると同時に学習内容の重複をさけたい.
教室授業の全体指導構造は,表に示すとおりである.以下の指導目的・目標は,指導構造全体を含めたものであるが,本稿の授業案は専任教員担当の指導内容のみに限定する.授業の進め方は,内分泌・代謝疾患患者の主な看護上の問題とその解決にあたっての視点を‘看護の特殊性’としてあげ,その特殊性をふまえて具体的に援助するために必要な共通する基本的な知識・技術を‘看護上の要点’とした.引き続き本稿においては,これらの学習を基礎に展開する‘疾患患者の看護’にとりあげる症例に関しての理由づけを述べる.
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