成人看護学各論の授業展開
Ⅲ.循環器疾患患者の看護
高木 永子
1
,
磯部 文子
1
,
高森 スミ
1
,
天野 断子
1
1東邦大学高等看護学校
pp.348-356
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906993
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はじめに
東邦大学高等看護学校(以下,本校と記す)における成人看護学各論指導展開順位2番目の呼吸器疾患患者の看護指導展開の概略は,本誌Vol. 16 No. 12に発表したので,今回は除外し,その後に続く循環器疾患患者の看護の指導展開について述べる.展開順位を3番目に位置づけたのは,本誌Vol. 17 No. 4でも簡単に触れたが,呼吸器系と循環器系は解剖・生理学的に関連性が強く,疾病,治療,看護のいずれにおいても,切り離せないと考えたからである.しかし,循環器疾患は学生の体験がほとんどないので,消化器・呼吸器疾患に比べて学習の動機づけ,理解がやや困難と考えられる.
そこで,日ごろ心臓の存在,働きなどを意識しない健康人でも,恥ずかしい思いをしたときや走ったときなどは,動悸や息切れを自覚するものであり,しかもそれらは循環器疾患患者のほとんどにみられるので,この体験を導入とし,できる限り学習に興味を持たせ,理解しやすくしたいと考えている,なお,教室授業の全体指導構造は表に示すとおりであり,次に述べる指導目的・目標は,表全体を含めたものである.本稿の授業案は専任教員が担当する看護学の指導展開についてのみであるが,循環器疾患患者の主な看護上の問題と,その解決の視点を‘看護の特殊性’とし,その特殊性を踏まえて援助するための共通する知識・技術を‘看護上の要点’として挙げる.
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