成人看護学各論の授業展開
Ⅹ.感覚器—皮膚疾患患者の看護
高木 永子
1
,
松下 由美子
1
1東邦大学高等看護学校
pp.117-126
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907069
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はじめに
感覚器疾患,殊に皮膚疾患患者の看護の指導要点は,多くの患者に発生しやすい看護上の諸問題とその解決に必要な基礎的能力の育成にあり,それに視点をおき検討する.換言すれば,学生が対象個々に応じた看護を応用展開するに必要な基礎的知識・技術に関する項目・内容ならびにその配列順序を含む指導方法を検討することにある.その際,特に従来偏重傾向にあった施設内患者の診療・生活の援助のみならず,疾病予防をはじめとする家庭・地域・職場などにおける施設外看護も追求させる.また疾患の発生・増悪に関与し,さらに疾患自体がもたらす精神的・社会的諸問題も一層重視し具体的解決方法について思考発展させる方針である.指導方法は,時間的制約ならびに学習意欲の低下を防止する関係上,既習の‘成人看護学総論’‘各器官系疾患患者の看護’(本誌Vol. 16 No. 12,Vol. 17 No. 5-12を参照)の指導項目・内容との重複・脱落防止に特に留意する.
下記の指導目的・目標は,教室授業の全体構造(表参照)を包含するが,この小稿の授業案は,専任教員担当の看護学に限定する.その展開順序は,第1に皮膚疾患患者に生じやすい主な諸問題とその解決の視点を明確化するための‘看護の特殊性’を挙げる.第2にその特殊性をふまえ援助するために必要な知識・技術を‘看護上の要点’とし配列する.
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