新しく看護学生になった人たちへの手紙・1
看護にどう取り組むか
大段 智亮
1
1看護人間学教室
pp.235-240
発行日 1976年4月25日
Published Date 1976/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906980
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はじめに
ここ2-3年の間に,私は何度も看護学生の集まりに呼ばれて話をした.そのうちの大部分は,新入生歓迎の集まりで,地元の兵庫県はもちろん,岡山県・愛知県・東京都といった所で講演をした.新入看護学生を迎えるに当たって,現在の看護について一席述べよ,というのであった.
正直いって,最初は気が進まなかった.既に看護婦になって看護という仕事で苦しんでいる,どうしようかと迷っている,そういう人たちに話をするのなら,私も大いにハッスルできる.何が問題なのかを掘り起こして,その上で,一緒に勉強しょうと強く呼び掛ける.そういうことができるのである.しかし,看護学生といっても,つい最近入って来たばかりで,看護についてほとんど何ひとつ知らない.経験的知識がないだけではない,活字知識でさえほとんどない.ただ夢や希望だけがある.となると,これは,私にとって最も話しにくい相手だ,といわなくてはならない.
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