特集 あらためて看護診断を考える
[座談会]看護診断―教育でどう取り組むか
藤村 龍子
1
,
岩井 郁子
2
,
西元 勝子
3
1慶應義塾看護短期大学
2聖路加看護大学
3自治医科大学看護短期大学
pp.651-663
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900447
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藤村 本日のテーマは「看護診断―教育でどのように取り組むか」という今日的なものです.「看護診断」についての話題は日常の看護実践の場において,事欠かないような状態になって来つつあると思います.そして,それは看護教育の場においても言えるでしょう.しかし,「看護診断」の定義や意味,看護の実践の場での適用についても共通の理解がされているとも言えないようです.
過去において,「看護過程」が健康問題をもった個人および集団に対して個別的なケアを提供するための組織的・論理的・系統的な方法として承認されるまでにも時間がかかったと記憶しています.一連の筋道の通った思考過程を大切にすることが基礎看護教育において強調されると,一方で,患者―看護婦の相互関係が失せるのではないかという反論がおきました.看護診断は看護過程の第2段階であり“個人や集団が自分の健康状態,ライフプロセス=生活過程に対して表す人間の反応についての記述である”と定義されています.とすると,関わりが十分存在しないところでは看護診断も存在しないことになるでしょう.
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