文学の中の看護
深沢七郎著 楢山節考考—“楢山節考”の批判
清水 昭美
1
1大阪大学医療技術短期大学部
pp.116-122
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906965
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虚構考
山ばかりで生きるのが困難な貧しい村.その‘逃げられない’環境の中で,老婆おりんは70歳を迎え,‘楢山まいり’とよばれるしきたりによって山に捨てられ,死ぬ.
老人問題の先駆として,この小説は名高い.‘おば捨て’の伝説に題材をとり,その死刑執行が,厳しい‘しきたり’として形式化したと想定すると,おりんの悲劇が生まれることになる.
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