特集 農村の保健
追悼
嗚呼 沢内村の深沢村長
及川 俊平
1
1岩手県北上保健所
pp.246-247
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203037
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保健所の助言援助がとくに沢内村に向けられたわけではないのに機会あろごとに『私は村の行政の第一に保健衛生を掲げてやろつもりであるから全面的に援助指導してもらいたい。私は全くの素人ですから』と底光りのする眼に微笑をたたえて言われるのが常であった。東北帝大の法文を卒業されたという点で私の先輩に当っているというだけで,村長就任前はあまり印象に残らない人だった。
世の常の市町村長の場合は口には保健行政の推進を唱えても実際に実行してくれる人はほとんどないのに,深沢さんは2期8年の村長在職期間に次ぎ次ぎと施策を打ち出し強力にその実現を図ったのには,むしろ吾々が引きずられている感じさえもったのである。
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