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産科看護教育におけるカリキラュムの比較研究—統合的カリキラュムか非統合的カリキラュムか
Fusae Maki Chong
1,2
,
中里 至正
3,4
1Methodist Hospital School of Nursing産科看護
2Methodist Hospital School of Nursing大学院看護学専政博士課程
3科学警察研究所環境研究室
4青山学院大学
pp.444-448
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906788
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Ⅰ.問題
最近,看護教育界では,伝統的なカリキュラム,もしくは非統合的カリキュラム(Non-Integrated Curriculum)に対する批判の声が強くなってきている.これらの批判は,主として次のような事実に基づいてなされている.それは,一般的にいって,伝統的な看護教育においては,通常の医学的側面に関する教育に比較して,看護教育には当然含まれなければならない,人間性に関する教育をあまり重視していない,という事実である.多くの批判によると,看護教育は,その終局的な教育目標,つまり,一般的な意味での人間性の高揚という目標の達成に事実上失敗してきた,ということになっている.
一方,一般教育の分野においては,統合的なカリキュラム(Integrated Curriculum)を取り入れることによって,人間性の教育をしようとする試みが続けられてきている.しかし,看護教育では,1950年の当初から試みられているにもかかわらず,そのカリキュラムが不適切であったために,今までのところ,人間性に関する教育が失敗したのだと考える.この種の批判に答えるために,幾人かの看護教育に携わる者たちは,彼ら自身がこの間題に気付いていたこともあって,正解を得ないまでも,ある種の教育上の示唆を得るための試みをいろいろと行っている.最近のある文献によれば,この辺の事情を次のように述べている.
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