巻頭言
偏見の克服と社会的統合
三沢 義一
1
1筑波大学心身障害学系
pp.3
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104091
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どんな社会にもさまざまな偏見があって,人間の行動は,良きにつけ悪しきにつけ,そうした偏見の支配を受ける.障害者に対する偏見も,今なお社会の底流に,根強く存在していることはたしかである.
偏見とは,一種の非現実的な観念像で,必ずしも他人からそれを明白に教え込まれたものでもないが,われわれはいつしかそれを学習し,心の中に植えつけられてきた.また,単なる観念像というだけでなく,人間の行動を一定の方向に駆りたてる不思議な魔力を伴っている.したがって,それに逆らうには,勇気と努力が要ることもたしかである.
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