研究と報告
脳卒中患者の排便についての一考察
三木 繁美
1
1国立呉病院内科病棟
pp.860-863
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916698
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
昭和26年以来わが国の死因第1位は,脳血管疾患なかでもいわゆる脳卒中によるもので,昭和44年には約17万8000人を数え,全死亡の約4分の1を占め,年とともに増加している.脳出血およびクモ膜下出血は高血圧状態が基盤になっていることが多く,非常な興奮,努責,入浴,咳嗽発作などによる一過性の血圧上昇が発作の誘因になりやすいといわれている.
最近私たちは排便努責後に再発作を起こした症例を2例経験した.便通をととのえることはたいせつなことであるが,はたして脳卒中患者の排便はスムーズにいっているかどうか,他疾患の場合と比較しながら若干の意見を加えてみたのでここに発表する.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.